序章(前編) 支払督促
さて、今回は以下ようなことを書いていこうと思います。
債権と債権回収
債権とは
債権者が債務者(KS)に対して、一定の給付(作為または不作為)を要求する権利。
金銭債権なら貸したお金を返してもらう権利、売買代金の支払いを受ける権利など。
債権回収とは
期限どおりに履行されなかった債権を回収すること
債権回収のための手続き
一覧
前置きでお話ししたような状態で、債権を回収する(お金を取り返す、支払いを受ける)ためにやるべきことはいくつかあります。
1,支払督促
2,少額訴訟(60万円以下の金銭の支払を求める場合)
3,民事訴訟(通常訴訟)
他にも手段はありますが、この辺が一般的かと思います。
とりあえず簡単にだけ特徴を書いておきますが、詳しいことはご自身で調べることをお勧めします。
1,支払督促
・3つの中で一番少ない手数料で申し立てできる。
・申し立てするだけならに証拠は不要(手続きが比較的簡単)。
・確定するまでには待つ時間がそれなりにある。
2,少額訴訟
・裁判自体は1日で終わる。
・申し立てに条件がある(60万円以下の金銭の支払を求める場合)。
3,民事訴訟(通常訴訟)
・イメージするガチの裁判。
・お金と時間がそれなりに掛かる。
今回の選択
ザっとこんな感じで、今回はタイトル通り ”1,支払督促” を
選択しました。
ここから本題
支払督促の申し立て(1回目)
まず、
支払督促は債務者(KS)の住所を管轄する簡易裁判所に申し立てをする必要があります。
それで住所は「愛知県あま市」であると借用書に記載があったので、そこを管轄する簡易裁判所=津島簡易裁判所に支払督促の申し立てをしました。
特別送達
支払督促申立書その他の書類を作成し郵送して、申立書類に直してほしい部分があると連絡があったので訂正申立書などを書いて再び郵送。
その後、程無くして受理され、債務者(KS)あてに1回目の特別送達*1が実施されました。
送達結果
気になる送達の結果は
「宛所尋ね当たらず」で不送達。
要するに「この住所にこの人物は住んでいませんよ」と言う事。
住居所調査
住居所調査
送達場所が分からない…万事休す…。
などと言うことはなく、こういった場合は住民票で調査する手段があります。
『え?他人の住民票なんて取れなくない?』と思う方もいると思いますが、結論を書くと取れます。*2
ここで債務者(KS)が住民票を移していないと調査は難航しますが、今回は調査が出来ました。※ちなみに引っ越しても住民票を移さないのは普通に犯罪です。
調査結果
あま市役所で住民票を取得したところ除票になっており、どうやら「名古屋市中川区」に転出したようだったので、次は名古屋市の区役所で転出先の住所で住民票を取得したところ住民票が取得できました。
それで住所の調べがついたところで、津島簡易裁判所に支払督促の申し立てをした日よりも債務者(KS)が転居した日の方が早かったので、津島簡易裁判所に申し立てた支払督促を取り下げ、新たに分かった住所である「名古屋市中川区」を管轄している名古屋簡易裁判所に改めて支払督促を申し立てることになった。
※文字で書くとスムーズに進んでいそうですが、ここまで進めるにもかなり時間が掛かっています。
支払督促の申し立て(2回目)
さて、申し立てからやり直しになった訳ですが、2回目は1回目の申立書の訂正を参考にして書類を作って郵送しただけですので申し立て自体はかなり簡単でした。
それでまた前回と同じように送達…となる訳ですが、少し長くなるので前編はこの辺りで1回切ろうと思います。
あとがき
ここで言うのもアレですが今のところこの話、序章が一番長いです。内容として濃すぎるので2回に分けますが、それでも長いです。読みたい方はお覚悟の上お読みいただければ幸いです。
記事
*1:
特別送達とは、郵便局員が住所を訪れて本人又は同居人などに直接手渡しで書類を送る方法。
送達が完了する(受け取られる)と送り主=裁判所に「送達が完了した」と言うのを証明する書類が届く。
受取人が留守の場合など不在票がポストに入れられ、郵便物は1週間郵便局で保管される。その間に受け取られなかった場合は送り主=裁判所に戻ってくる。
ちなみに届けに来たら受け取りの拒否は出来ず、そのとき局員は書類を置いて帰ることが出来る。
何となく宅急便に似た届け方と言うと分かりやすいでしょうか…。
*2:住民票は正当な理由があれば第三者請求ができる。債権回収に使うことは正当な理由になるので、債権者(自分)と債務者(KS)の関係を証明できるもの、借用書や特別送達の結果報告書などを持って市役所に行ってみよう。もし住んでいれば住民票、転居していれば除票を取得することが出来る。